気分のイイ昼下がり*村田敦志
今日、以前から調子の悪かった車を修理に出し、帰りは電車での移動。
大阪と京都の境くらいにあるその駅は、
都会の喧噪からは外れここが大阪であることを忘れてしまう雰囲気。
昼下がり。
ホームには大勢の学生。
わいわいはしゃぐ女の子達。
ホームでも読書中の真面目君。
ひと際目を引く大きなカバンを持ったイカつい集団。
たぶん柔道部かな?
そっか、期末試験の季節か。
これを乗り切ったら夏休み。みんな楽しそうな顔をしていた。
賑やかな平日のプラットホーム。
普段乗らない電車からの景色はのんびりしていてちょっとした旅気分。
大阪までの各駅停車のミニトリップ。
途中見るからにヨタヨタ歩きの老人が乗ってきた。
柔道部の硬派君はすぐに席を空けた。
駅に停まる度増える乗客。
真面目君は電車の中でも読書中。
「真実一路/山本有三」
「Men's NON-NO」しか読んでいなかった自分の高校生時代が恥ずかしい。
真面目君の前にはおばさま達の集団。その中には杖をついた人もいた。
何の迷いもなく席を立ち上がる真面目君。
「今時の若いもんは…捨てたもんじゃないね!」
ちょっとウトウトとしている間に電車の中はいっぱいに。
気が付けば僕の前には若い女性が二人。
すぐには気が付かなかったけど、一人のカバンには『たまひよストラップ』が。
一見すると妊婦さんには全然見えない。
ちょうどつわりが終わった初期の頃かな?
席を立つタイミングを考える。
女性達が乗ってきてしばらく経っているので難しい。
さっきの学生達はもういなくなっていた。
何も考えずに席を立てない自分が恥ずかしかった。
とりあえず立ってみた。
女性にお礼を言われた。
気分のイイ昼下がり。
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